携帯版 |
![]() |
![]() |
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/08/08 11:05, 提供元: フィスコ 城南進研 Research Memo(5):個別指導部門は小学生が増加、映像授業部門は下期から増収に転じる(2)*11:05JST 城南進研 Research Memo(5):個別指導部門は小学生が増加、映像授業部門は下期から増収に転じる(2)■城南進学研究社<4720>の業績動向 (5) グループ会社 a) 幼少教育関連 幼少教育関連のうち、千葉県を中心に「星のおうち」「あっとほーむママ」「城南ルミナ保育園」など認可保育園8園(千葉県6園、東京都1園、神奈川県1園)と児童発達支援教室「フォレストキッズ」1教室(神奈川県川崎市)を運営している城南ナーサリーの売上高は、前期比2.0%増の431百万円と増収基調が続いた。運営園数に変わりはなく園児数も堅調に推移した。また、2023年6月より開始した児童発達支援教室の売上がフルに寄与したことも増収要因となった。「フォレストキッズ」は専門の資格を持ったスタッフが児童の特性に合わせた個別支援計画を作成し、療育(治療と保育・教育)サービスを提供する教室である。現状、発達障害児童※の数に対して児童発達支援施設が不足しており、潜在的なニーズがあると見て新規参入した。生徒数は順調に増加し2025年3月末で30名強とほぼ定員に達し、月次損益も黒字に転換したようだ。問い合わせが多いことから、スタッフの増員を図って受入能力を増やす考えだが、採用が難しいためしばらく時間がかかりそうだ。まずは川崎教室で実績を積み上げ、将来的には複数教室の運営を目指す。利用料金は障害福祉サービスの1つとして提供するため、国の補助金で大半が賄われる(3〜5歳児は無償)。同社では社会貢献事業として位置付けている。 ※ 「対人関係が苦手」「言葉の遅れ」「行動や興味の偏り」「落ち着きがない」「読み書きの習得の遅れ」など生まれつき脳の機能に偏りがあることで、発達に障害が生じている児童のこと。 埼玉県内で認可保育園「ふぇありぃ保育園」を14園運営している城南フェアリィーの売上高は、前期比4.5%増の610百万円となった。運営園数に変わりはなく園児数の増加が増収要因となった。両子会社ともに売上高は過去最高を更新し、既存園の定員充足率も、少子化が進むなかでも高水準を維持した。両園ともに「くぼた式育児法」を採り入れており、サービス面で差別化を図っていることが人気の要因になっていると考えられる。なお、城南フェアリィーについては合理化推進のため、2025年4月1日付で同社が吸収合併した。 一方、神奈川県内でネイティブ英語環境下での学童保育施設「城南Kids After School」を4校運営している城南KIDSの売上高は、前期比22.7%減の143百万円と2期連続で減収となった。生徒獲得競争が激化するなかで、2024年3月と12月に各1校舎を近隣校舎に統合したこともあって生徒数が減少し、減収要因となった。ただ、固定費の削減を進めたことで足元の収益状況は損益分岐点まで改善している。今後はサービスの差別化を図りながら既存校で生徒数を増やす方針だが、バスの運転手確保も難しくなっているようで課題は多い。 b) 英語教育関連 英語教育関連のうち、TOEFL(R)テストやIELTS対策など留学試験対策専門予備校を1校運営するリンゴ・エル・エル・シーの売上高は前期比13.0%減の51百万円と2期ぶりに減収に転じた。前期はコロナ禍の収束に伴い、留学需要が回復したが、為替の円安が進んだことや生徒獲得競争の激化が売上低迷につながった。 企業向けビジネス英語研修及び英会話スクールを運営するアイベックの売上高は、前期比7.8%増の108百万円と3期振りの増収に転じた。前期は大口案件の失注が響いて落ち込んだが、国内企業からの需要が回復したことやアジア企業からの受注を獲得したことが増収要因となった。「iBEC(アイベック)メソッド」は、異文化対応能力やクリティカルシンキングなどグローバルビジネス環境に対応できるリーダーの養成メソッドとして定評があり、対象市場・販路を広げることで収益回復を目指す。 c) スポーツ関連・その他 スポーツ関連では、スイミングスクールなどの運営を行う久ケ原スポーツクラブの売上高が前期比1.8%増の373百万円と若干ながら増収が続いた。水泳授業を行う学校が少なくなったこともあり、スイミングスクールに通う小学生が減少したものの、値上げや退会防止策の実施に加えてその他の習い事サービスを提供する「スキッパーズ」や、会員制スポーツジム「マイスポーツ」の会員増により増収を確保した。 一方、イオマガジンの売上高は前期比20.1%減の89百万円と減収に転じた。同子会社は「デキタス」のシステム開発やコンテンツ開発などを担っているほか、大企業や大学などで利用されているオンライン学習管理システム「Moodle(ムードル)※」の国内における正式パートナーとして導入支援・サポートを行っている。現在は新規サービスとなる「予実管理システム」の開発に向けてエンジニアの採用を強化している状況にある。 ※ 「Moodle」はオープンソースのeラーニングプラットフォームで、世界230ヶ国以上、約3.2億人が利用しており、日本でも大企業や多くの大学などで利用されている。同子会社は2016年に正式パートナーとして認定され、サーバー構築から設定、運用、カスタマイズ開発を行っており、2021年7月より利活用促進のためのサポートサービスも開始している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |