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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/08/01 15:04, 提供元: フィスコ 飯野海運---1Q減収、不動産業は売上高・利益ともに順調に推移*15:04JST 飯野海運---1Q減収、不動産業は売上高・利益ともに順調に推移飯野海運<9119>は31日、2026年3月期第1四半期(25年4月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比21.9%減の297.92億円、営業利益が同57.7%減の22.54億円、経常利益が同65.8%減の21.92億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同51.6%減の32.67億円となった。 外航海運業の売上高は前年同期比26.0%減の237.36億円、営業利益は同72.9%減の12.82億円となった。大型原油タンカー市況は、中東情勢の緊迫化によるホルムズ海峡封鎖への懸念を受けて一時急騰したが、中国等の不需要期入りや製油所の定期修繕等の影響で、OPECプラスの増産決定が輸送需要に結びつかず、総じて軟化傾向で推移した。同社は、支配船腹を長期契約に継続投入し、安定収入を確保した。ケミカルタンカー市況は、中国経済の減速や米国の関税政策による不確実性の高まりを受け製品需要が減少し、前年同期と比べて軟化した。同社は、基幹航路である中東域から欧州及びアジア向けをはじめとする数量輸送契約に加え、スポット貨物を取り込む等、採算確保に努めたが一部の数量輸送契約更改において軟化した市況の影響を受けた。また、経営資源の有効活用及び資産効率向上のためケミカルタンカー1隻を売却した。大型ガス船のうち、LPG船市況は米国の関税政策に伴う米国から中国への荷動きの不確実性の高まりにより一時急落したものの、その後は緊張緩和により回復基調となり、前年同期と比べて強含みで推移した。同社は、既存の中長期契約を中心に安定収益を確保した。ドライバルク船市況は中国経済の減速等により、前年同期と比べて軟調に推移した。同社の専用船は順調に稼働し安定収益確保に貢献した。ポストパナマックス型及びハンディ型を中心とする不定期船隊では、軟調に推移した市況の影響を受けた。 内航・近海海運業の売上高は同8.8%減の26.32億円、営業損失は0.61億円(前年同期は0.62億円の利益)となった。内航ガス輸送の市況は、プラントの修繕や慢性的な内需の冷え込み等により荷動きは低調だったが、船腹需給の逼迫により、前年同期と同水準で推移した。同社は既存の中長期契約を中心に効率配船に取り組んだが、運航船の入渠による修繕工事が重なった影響を受けた。近海ガス輸送の市況は、中国経済の減速により、プロピレンや塩化ビニルモノマーの輸送需要は低調であったものの、新造船の竣工が限定的であったことから、同社が主力とするアジア域では堅調に推移した。同社は既存の中長期契約を中心に、安定的な収入を確保した。 不動産業の売上高は同6.4%増の34.50億円、営業利益は同92.9%増の10.33億円となった。東京都心のオフィスビル賃貸市況は、空室率が前年同期と比べて低下したことに加えて、新築大型ビルへの集約移転や利用面積の拡張等から上昇した。同社所有ビルにおいて、オフィスフロアは順調な稼働を継続し、安定した収益を維持した。商業フロアは一部空室を残しているものの、飲食テナントを中心に売上が回復した。英国ロンドンのオフィスビル賃貸市場は、好立地で高グレードな物件への需要が堅調で、賃料水準も安定して推移した。加えて、市場全体としても空室率の低下がみられる等、需給環境は前年同期と比べて改善した。同社所有ビルにおいても安定的な稼働を維持したことに加え、前年同期に計上した二棟目のオフィスビルの取得に係る初期費用の負担がなくなったことから、安定した収益を確保した。イイノホール&カンファレンスセンターにおいては、文化系催事が堅調に推移し、ビジネス系催事の回復も継続しているため、安定的な稼働を維持した。不動産関連事業のスタジオ事業を運営するイイノ・メディアプロにおいては、例年みられる5月の連休における売上減少は限定的であり、総じて堅調に推移した。 2026年3月期通期については、同日、連結業績予想の修正を発表した。売上高が前期比8.4%減(前回予想比3.0%減)の1,300.00億円、営業利益が同40.4%減(同10.5%減)の102.00億円、経常利益が同39.5%減(同8.7%減)の105.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同37.4%減の115.00億円としている。 《AK》 記事一覧 |