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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/10/26 11:02, 提供元: フィスコ

はてな Research Memo(2):UGCサービスで培った技術とノウハウを生かし、法人向けサービスへと展開(1)

*11:02JST はてな Research Memo(2):UGCサービスで培った技術とノウハウを生かし、法人向けサービスへと展開(1)
■はてな<3930>の事業概要

同社は2001年に設立したインターネットサービス企業で、個人向けにユーザーが文章や画像などのコンテンツを発信・閲覧・拡散するプラットフォームを提供するコンテンツプラットフォームサービスからスタートした。2014年以降は、同サービスの開発・運用で蓄積した「基盤」「技術力」「収益化力」を、法人向けのコンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービスへ展開するなど、事業領域を拡大している。また、法人向けビジネスでの経験がコンテンツプラットフォームサービスの強化にも役立っており、3つのサービス領域でシナジーを高めながら、成長を続けている。

1. コンテンツプラットフォームサービス
コンテンツプラットフォームサービスでは、ユーザーがコンテンツを発信・拡散するUGCサービスとして「はてなブックマーク」「はてなブログ」等のサービスを展開している。任意のWebページにユーザーがコメントを簡潔に付けることができる「はてなブックマーク」があることで、「はてなブログ」の記事に他のユーザーの意見や批評が集まりやすいこと、長い文章や論考、コラムのようなものを発信するITリテラシーの高いブロガーが比較的多いことなどが「はてなブログ」の特長となっている。

売上高は「はてなブログ」等の無料ユーザーの画面に掲載されるアドネットワーク広告収入のほか、「はてなブログ」で本格的にブログを運営したいユーザー(個人・法人)に対して各種機能を有料で提供する月額課金収入などで構成される。売上高の5割強(2026年7月期)を占めるアドネットワーク広告収入は、主にPV数×広告単価で決まる仕組みとなっており、広告単価はその時々の需給によって変動するが、趨勢的には低下傾向にある。このため、PV数をいかに伸ばせるかが売上成長のカギとなる。サービスの登録ユーザー数を拡大していくこと、良質なコンテンツの投稿数を増やすことが重要であり、優れた書き手や投稿者を惹きつける施策に取り組むことでメディア全体の価値向上を図っている。

現在の主要サービスは以下の3種類である。

(1)人力検索はてな
2001年に開始した同社の最初のサービスであり、社名の由来ともなっている。検索エンジンで解決できない疑問があるときや簡単な統計を取りたいときに有用なQ&Aサービスで、ナレッジコミュニティサービスの草分け的な存在である。

(2)はてなブックマーク
2005年に開始した国内最大級のソーシャルブックマークサービスで、気になったWebページを、感想やタグとともにオンライン上で簡単に管理できる。共有されたブックマーク先のページを見ることで、インターネット上で盛り上がっている話題を知ることができる。

(3)はてなブログ
2003年にサービスを開始した「はてなダイアリー」を進化させたブログサービスで、2013年に開始した。シンプルなデザインに執筆を助ける機能が充実しており、長い文章をじっくり書いて発信したいハイエンドブロガー向けのサービスとして定評がある。
2012年より開始した有料サービスの「はてなブログPro」は、使用可能ストレージ容量が3GB/月(無料プランの10倍)となるほか、独自ドメインの設定や管理機能の強化、モバイル環境下での高速表示、画面上の広告配置を自由に設定可能(非表示も可)であるなど、本格的にブログを運営したいユーザー向けのサービスとなる。料金プランは利用期間に応じて3コース※で提供している。

※ 「はてなブログPro」は1ヶ月コース1,008円、1年コース8,434円(月額703円相当)、2年コース14,400円(同600円相当)。

2. コンテンツマーケティングサービス
コンテンツマーケティングサービスでは、企業が顧客等に向けて伝えたい情報を発信するためのオウンドメディアの構築・運用支援サービスとして2014年より開始した「はてなブログMedia」をベースに、2025年2月より利用企業の範囲をさらに広げるため、ノーコードで誰でも簡単にWebサイトを制作・運用できる機能を実装したサービス「はてなCMS」にリブランディングして展開している。SaaSで提供しているため、顧客企業はサーバーの構築・保守運用が不要なほか、直感的に操作できるUI(User Interface)や強固なセキュリティ機能を実装し、複数人での編集作業も可能なことが特長である。また、同社がUGCサービスで培ったシステム・ノウハウを生かし、サイトに集客するための広告サービス等も提供している。

「はてなCMS」の料金プランは非開示だが、「はてなブログMedia」のライトプラン(月額11.0万円)よりも低水準で設定している。売上高の約7割は月額課金となるシステム利用料のほか、オウンドメディアの構築並びにコンテンツ制作料等で占められ、残り2割強がオウンドメディアを拡散するための広告掲載料(「はてなブログ」等の同社UGCサービスを活用したネイティブ広告、バナー広告、タイアップ広告等)で占められる。システム利用料以外は、顧客企業の予算状況によって変動する傾向にある。

また、2024年10月に正式リリースした新サービス「toitta」は、生成AIを活用してインタビュー調査の内容分析を支援するソリューションサービスとなる。主に企業のリサーチ・マーケティング部門を顧客ターゲットとしており、ユーザーインタビューの録画・音声データをAIで処理し、データ分析しやすい形に整えるツールである。インタビュー内容の書き起こし作業をAIで自動化するサービスは他にもあるが、同社サービスの特徴はインタビュー内容から分析する際のデータとして扱える「切片」を自動生成し、親和図法※などの下準備が必要な質的分析を実施できる点にある。従来は取材記録をもとに数日かけて行っていた分析・レポート作成業務が短時間で可能となり、質的向上につながるサービスとして顧客から高い評価を受けている。導入先は調査会社やインターネット関連会社にとどまらず、大手メーカーやコンサルティング会社など多岐に広がっている。SaaSとして提供しており、売上高は月額のシステム利用料となる。

※ 親和図法とは、ある課題に対する事実・意見・発想を言語データに変換し、言語データ同士の「親和性」を見つけて統合図を作っていく手法。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



《HN》

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