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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/01/05 09:28,
提供元: フィスコ
LIXIL:リフォーム主導の収益改善を進めつつ高配当を両立
*09:28JST LIXIL:リフォーム主導の収益改善を進めつつ高配当を両立
LIXIL<5938>は、住宅設備機器および建材分野における国内最大級、かつ世界有数の総合メーカーだ。トステム、INAX、新日軽など複数の有力ブランドを統合して誕生し、現在は水回り設備から住宅用サッシ、内装・外装建材まで、住まいに関わる幅広い製品群を展開している。国内ではトイレや水栓金具、住宅用窓サッシで高いシェアを有し、海外では欧州を中心に高級水栓ブランド「GROHE」、米国を中心に「American Standard 」を軸とした事業展開を進めている。近年は国内住宅市場の成熟を背景に、収益構造の転換と海外事業の立て直しを経営の主軸に据えている。
事業セグメントは、ウォーターテクノロジー事業(LWT)、ハウジングテクノロジー事業(LHT)、リビング事業(Living)の3つで構成される。LWTはトイレ、衛生陶器、水栓、浴室といった水まわり製品を中心とする最大セグメントで、売上構成比は約5割を占める。国内ではリフォーム需要を取り込み、海外では欧州・中東・インドで好調継続。LHTは住宅用サッシや外装建材を主力とし、新築住宅向け売上比率が高い点が特徴だ。リビング事業はキッチン、洗面、インテリア建材など室内領域を担い、2026年3月期より独立セグメントとして位置付けられた。
同社のビジネスモデルの強みは、住宅設備をフルラインで提供できる点にある。水まわりから外装、内装まで一貫して供給できる企業は国内外でも限られており、調達・製造・販売の各段階でスケールメリットを発揮できる。また、近年は新築依存から脱却し、利益率の高いリフォーム市場へのシフトを進めており、国内事業におけるリフォーム売上比率は着実に上昇している。これにより、市況変動の影響を受けにくい安定収益モデルへの転換が進んでいる点は評価できる。
2026年3月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上収益7,359億円(前年同期比0.5%減)と前年同期比で微減となったものの、事業利益は169億円(同60.4%増)と大幅な増益を確保した。新築着工の減少により国内売上はほぼ横ばいも、リフォーム向け売上の増加と価格改定効果が利益を押し上げた。また、海外では欧州事業を中心に構造改革の成果が表れ、販管費の抑制が収益改善に寄与した。
セグメント別では、LWTが国内外ともに増益となり、全体の利益成長を牽引した。国内では水まわりのリフォーム需要が堅調で、海外では欧州のGROHE事業が高付加価値商品の拡販により収益性を回復している。一方、LHTは新築住宅着工の低迷を背景に減収となり、利益は横ばいにとどまった。ただし、リフォーム向け売上は拡大基調にあり、今後は利益率の改善が期待できる。リビング事業においてもリフォーム需要を取り込み、増収増益と安定した成長を示している。
2026年3月期通期では、売上収益1兆5,400億円(前期比2.3%増)、事業利益350億円(同11.7%増)を計画しており、増収増益を見込む。国内では引き続き新築市場の回復は限定的とみられるが、補助金政策や省エネ需要を背景にリフォーム市場は堅調に推移する見通しだ。海外では欧州、インド・中東・アフリカ地域が成長ドライバーとなり、米国や中国の市況低迷を補う構図が続いている。中国は海外売上に占める比率が10%未満と低水準にとどまるうえ、高収益なGROHE製品の売上構成比が高いことから、中国市況悪化による業績への影響は限定的とみられる。
中期的には、2028年3月期までに事業利益1,100億円以上、事業利益率6.5%の達成を目標に掲げている。海外事業の構造改革を進めるとともに、高付加価値商品へのシフトを通じて利益率の引き上げを図る方針だ。再生アルミを活用した循環型低炭素アルミ「PremiAL」や、布製浴槽を採用した新型浴室「bathtope」など、環境配慮と差別化を両立する商品開発も中長期的な成長要素となる。
株主還元については、年間配当90円を予定しており、安定配当方針を維持している。配当水準は中期的なEBITDAを基準に判断する考え方を採用しており、想定配当利回りは約4.8%と高水準にある。事業再構築に向けた成長投資を進めつつも、安定的な株主還元を両立する姿勢は、個人投資家にとって評価材料となろう。
総じて同社は、短期的には新築住宅市場の低迷という逆風を受けるものの、リフォーム需要の拡大と海外事業の収益改善を背景に、着実な業績回復局面にある。フルライン住宅設備メーカーとしての競争優位性と高水準の株主還元を併せ持つ点から、中長期視点での安定成長とインカムゲインの両立に期待したい。
《NH》
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