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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/08/22 11:07, 提供元: フィスコ

1stコーポ Research Memo(7):収益基盤を多様化し、中期経営計画の達成を目指す

*11:07JST 1stコーポ Research Memo(7):収益基盤を多様化し、中期経営計画の達成を目指す
■今後の展開

1. ウェルビーイングシティ構想と分譲マンション自社ブランド「CANVAS」の推進
ファーストコーポレーション<1430>が注力しているのは「ウェルビーイングシティ構想」である。この構想に基づき分譲マンション自社ブランド「CANVAS」を立ち上げ、現在、第1号案件の「CANVAS南大沢」の分譲を行っている。

「CANVAS」は人生100年時代に対応した、「住まい」の提供に留まらず、「豊かな暮らしを実現するための様々なサービスを提供し続けることで、持続的かつ多面的に満たされる暮らしを提供し、持続可能な社会の構築に貢献する」ミッションに基づいている。こうした物件は従来、高齢者のみを対象にしたシニアマンションが中心であったが、「CANVAS」は全世代を対象にしている点が最大の特徴である。多様な働き方を志向する単身世帯、若い家族世帯など、様々なニーズが存在する現在において、外部の機関と連携しニーズを満たす多様なサービスを提供する全世代型マンションは、今後のマンション形態のメインストリームになる可能性が十分にあると同社は考えている。後続案件の具体化に向けて、複数の自治体やデベロッパーと勉強会を開催するなど、準備を進めている。

2. アクティブシニア向けマンション
同社の将来的な成長を考えるうえで注目すべき領域は、健康な高齢者、いわゆるアクティブシニア向けマンションだ。高齢者向けのマンションにおいて、多くの業者が展開しているのは介護付きのサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)であり、アクティブシニア向けを手掛ける業者は少なく、同社はこの領域で先行している。アクティブシニア向けは、そもそも通勤仕様ではないため、駅前立地でなくて良い。さらに、温泉やジムなど付帯設備の建設で単価をアップさせることができ、収益性の観点からも期待できる。東京都稲城市のダイヤモンドライフ若葉台は、アクティブシニア層を主要ターゲットとして共同事業で建設したマンションで、既に完売した。今後はウェルビーイングシティ構想の一環として推進していく。

大型案件のなかには、デベロッパーとの共同事業として分譲するケースもある。2025年5月期末時点でも、複数の案件が進行している。共同事業はマンション分譲の段階でも利益をあげられることから、造注方式と併せて注力している。

また、取引先が増加している点にも注目したい。2020年5月期の取引先は31社であったが、その後5年間で42社まで拡大し、さらに複数社と案件交渉を行っている。2021年5月期には三菱地所レジデンス(株)、野村不動産(株)、2022年5月期には(株)フージャースコーポレーション、2023年5月期には大和ハウス工業<1925>、ナイス<8089>、2024年5月期にはヤマイチエステート<2984>、(株)トーシンパートナーズ、2025年5月期にはパナソニックホームズ(株)、住友商事<8053>、相鉄不動産(株)、西日本鉄道<9031>の4社と新たに取り引きを開始した。このほかの取引先としては、(株)アーネストワン、東京建物<8804>、中央日本土地建物(株)、日鉄興和不動産(株)、三井不動産レジデンシャル(株)、阪急阪神不動産(株)、(株)中央住宅といった大手デベロッパーが数多く名を連ねている。全42社の取引先のうち、半数以上の22社から複数回工事を請け負っている。同社の企画提案力や施工品質の高さを背景として、取引先の拡大とともに、ビジネスの幅も広がっている。


再開発事業案件に積極的に参画。中長期の収益基盤づくりを目指す

3. 再開発事業
同社は、再開発事業にも注力している。第一号案件として、JR前橋駅北口地区第一種市街地再開発事業に事業施行者として参画し、地上27階建てのマンション及び商業施設を建設、2024年3月に完成し同年6月に引渡が完了した。本再開発を通して同社は、再開発事業と高層建築に関するノウハウを蓄積した。同プロジェクトに対する周囲の評価も高いという。今後は、再開発事業とタワーマンションなどの高層建築の領域により積極的に進出する。青森県弘前市でも既に用地を取得し、準備組合に加盟するなど事業計画の具体化に向けて取り組んでいる。また、神奈川県横浜市緑区でも大規模事業に参画しており、デベロッパーと共同で計画を具現化する方針である。さらに、2025年5月期は長崎県大村市で計画されている「大村バスターミナル地区市街地再開発事業」に事業協力者として参画することが決定した。再開発事業は時間はかかるものの、街づくりに貢献できるとともに、同社にとっても中長期的な収益基盤の一つとして期待されている。


郊外の好立地案件と都心部案件をバランスよく受注

4. コロナ禍後、二極化が進むマンション市場における同社の対応
コロナ禍によって普及したテレワークなどをはじめとする新しい生活様式は、マンション販売動向にも影響を及ぼした。都心部の高価格帯物件と郊外の比較的リーズナブルな物件の二極化が進む中、好立地の郊外案件に対する需要は引き続き旺盛で、同社では2024年5月期までは郊外案件を中心とした受注が続いていた。一方、2024年以降は都心部案件の受注が増加しており、東京都港区、文京区、杉並区、足立区、さらに神奈川県横浜市泉区及び南区でも受注した。現在は、郊外と都心部の案件をバランスよく、選別的に受注している状況である。事業用地の取得についても、東京都足立区、世田谷区、渋谷区、目黒区、中野区など都心部での取得が増加している。

これまでも、主力のマンション建設に加え、自社ブランドの分譲マンション事業、アクティブシニア向けマンション事業、再開発事業を新たな軸に事業の拡大に注力してきたが、今後も各事業を着実に成長させることで、後述する中期経営計画「Innovation2024」の実現を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)


《HN》

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