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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/05/30 15:13, 提供元: フィスコ

国内株式市場見通し:過熱感強いAI関連株の調整進めば出遅れ銘柄への資金シフトにつながる余地も

*15:13JST 国内株式市場見通し:過熱感強いAI関連株の調整進めば出遅れ銘柄への資金シフトにつながる余地も


■AI関連株の上値追いが継続し、今週も日経平均は大幅に続伸

今週の日経平均は先週末比2990.43円高(+4.7%)の66329.50円で取引を終了した。中東和平交渉の進展期待で週初から大幅高の展開となった。トランプ米大統領が、イランとの戦闘終結に向けた合意が「まもなく発表される」とSNSに投稿、AI・半導体関連を中心に上値追いの勢いが強まり、日経平均は高値を大きく更新して65000円台乗せとなった。その後週央にかけても、AI・半導体関連の一角には過熱警戒感が意識されたが、中東情勢の緩和期待を背景に底堅い動きが続いた。


週後半にかけて一時伸び悩む場面も見られ、AI・半導体関連株の多くに利益確定売りが集まる状況となった。米国とイランの軍事行動の応酬が伝わったことで和平交渉への期待が後退したほか、翌日のMSCIリバランスを控えて需給懸念もやや先行したとみられる。ただ、売り一巡後は押し目買いが優勢となっており、週末は積層セラミックコンデンサ(MLCC)銘柄を中心としたAI関連株物色が再燃、1636円高と大幅高になっている。米国とイランが停戦期間を60日間延長し、イランの核問題を協議する覚書を交わすことで合意したと伝わったことも安心感につながったようだ。

■AI関連株から出遅れ・バリュー株への資金シフトを探る局面

今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比363.49ドル高の51032.46ドル、ナスダックは同55.15ポイント高の26972.62で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比270円安の66200円。イランと60日の停戦延長などを盛り込んだ覚書の暫定的合意に達したとの報道に加え、トランプ大統領が最終決定に向け会合を開くと伝わり、戦闘終結に向けた交渉進展期待が高まった。

今週もAI関連株の活況が継続、目標株価引き上げの動きが観測された武蔵精密工業<7220>が先週末比70%強の急騰となったほか、MLCC関連を中心とした電子部品株を買い進む動きが強まった。村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>、TDK<6762>などの大手電子部品株が軒並み同20%以上の大幅上昇となり、MLCCの材料を手掛ける中小型株にも物色が向かう形となった。一方、フジクラ<5803>や古河電気工業<5801>などがマイナスサイドとなったほか、日東紡<3110>も同10%超の下落、AI関連株も循環物色の様相を呈してきている。決算発表や説明会などは今後一巡してくるとみられ、徐々にポジティブ材料の表面化が少なくなる中、過熱感を伴いながら上昇してきたAI関連株には今後の反動を警戒したい局面でもある。中東の和平協議の進展は、AI関連一極集中相場の転機になる可能性もあると考える。

AI関連株一極集中相場が終焉した場合、出遅れ銘柄への資金シフトは活発化すると考えられ、全体相場の下支えとなろう。日経平均にとってはネガティブに働く可能性だが、投資マインドを大きく冷やす流れには至らないだろう。ここまで出遅れ銘柄に関しては、AI関連株への資金集中という需給関係から、リバウンドの動きも強まりにくかったと考えられる。ちなみに、6月は後半にかけて株主総会が集中することになり、アクティビストファンド保有のバリュー株などに関心が向かいやすいと考えられる。また、6月は配当金が支払われるタイミングでもあり、この面でも、再投資の対象となるバリュー株が優位になってくると考えられる。

■米雇用統計や植田日銀総裁発言などが注目イベントに

中東情勢の改善期待を背景に、今週は国内でも長期金利が低下基調を辿った。27日の国際コンファランスにおける開会挨拶において、植田日銀総裁が利上げについて触れなかったことなども安心感につながった印象。ただ、6月3日にも植田総裁挨拶が予定されており、過度な利上げ観測の後退を是正させる発言がなされる可能性もあろう。6月15-16日に開催予定の日銀金融政策決定会合における利上げ余地を残すのであれば、市場観測の変化を促す格好のタイミングであるとも考えられる。

4月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったが、平均時給の上昇率は市場予想を下振れ、インフレ再燃への懸念を強める結果にはならなかった。3月の住宅価格指数は前年同月比0.7%の上昇にとどまり、23年6月以来2年9カ月ぶりの低い伸びとなっていることからも、5月の雇用統計が市場予想を下回れば、早期の利上げ観測は後退する可能性がある。その際には、AI関連などハイテク株にとって支援材料となってこよう。また、米国では、データセンター向けネットワーク半導体を手掛けるブロードコムの決算発表が3日に予定されている。ほか、パロアルトの決算はセキュリティ関連株などの動きに影響を及ぼす可能性もありそうだ。

■米国では雇用統計が発表予定

来週、国内では、6月1日に1-3月期法人企業統計、2日に5月マネタリーベース、5日に4月毎月勤労統計調査、4月家計調査などが発表される。なお、3日には植田日銀総裁の講演も予定されている。

海外では、6月1日に中・5月製造業PMI(RatingDog)、欧・4月ユーロ圏失業率、米・5月ISM製造業景気指数、2日に欧・5月ユーロ圏消費者物価指数、米・4月JOLTS求人件数、5月自動車販売台数、3日に中・5月サービス業PMI(RatingDog)、米・4月製造業受注、5月ADP雇用報告、5月ISM非製造業景気指数、ベージュブック、4日に欧・4月ユーロ圏小売売上高、米・新規失業保険申請件数、5日に欧・1-3月期ユーロ圏GDP(確報値)、米・4月消費者信用残高、5月雇用統計などが発表される。



《FA》

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